Xbox 「Army Men: Major Malfunction」

2006 Global Star
Team17
XB/PS2
↑子供部屋が戦場と化す!
北米版Xboxソフト「Army Men: Major Malfunction」を紹介!

アメリカのキッズ所持率No.1(適当)のおもちゃ「グリーンアーミー」がゲームで大暴れ!全てがビッグサイズと化したチープなハウスを舞台に”決死のアドベンチャー”を繰り広げるミニマム・アクション・シューティングゲーム!

開発はミミズストラテジー「Worms」でお馴染みの「Team17」が担当。


↑全身緑の量産型
おもちゃ軍 vs おもちゃ軍

”緑軍”「Green Army」と”日焼け軍”「Tan Army」との飽くなき戦いを描いたアーミーメンシリーズ。 2006年発売の本作はこれまでシリーズの大半を占めていた”WWIIライクな戦場モノ”ではなく、舞台を一般の家庭に移した”おもちゃ感がバカ高い”TPSゲーム。

まぁ上記のことに関しては、本作がアーミーメンの主な開発元「3DO」社の作品ではなく、何故かこの作品だけ開発することになった「Team17」による”フランチャイズタイトル”ということによるもの。
なるほど!だからテイストが違うのか……ってそんなことどうでもええわ! そもそもアーミーメンシリーズ初体験だから違いが分かんねぇ(笑)

このゲームを購入したのも「たまたまネットのゲームショップで見かけて思わずジャケ買いしてしまった」という位で特に前情報も無しで入手。 さぁアーミーメンシリーズはどう楽しませてくれるのか!気合を入れていってみよう。 ちなみにメタスコアは……後のお楽しみだ!(笑) 


↑スケール感は抜群
ミニマム大作戦

主人公となるのは「プライベート・アンダーソン」という名のプラスチック(ライアンではないぞ)。 無念にも処刑されてしまった我が緑軍の「サージ」隊長(?)の死の真相を探るべく、そして処刑した張本人である日焼け軍の「メジャー・マルファンクション」を倒すために駆り出された緑軍の兵士だ。 プレイヤーはこのアンダーソン兵士を操り、魔境と化した家で孤独なミッションを遂行していく。

本作では実に30種類以上にも上る”ガリバーなミッション”が用意されており、「庭のバーベキューコンロでパラシュート降下」から「キッチンでのスニーキングミッション」「洗面所での水上ボート戦」と続き、これぞアーミーメンな「子供部屋の段ボール城制圧」、そして最後は「ガレージでの全面戦争」と豊富なロケーションで楽しませてくれるのだ。

具体的なミッション内容も「C4でデスクトップパソコンを破壊」「電池を集めておもちゃの戦車を動かす」なんていう”おもちゃ感”溢れる微笑ましいものが多く、低い目線を生かしたファニーなミッションが用意されている。 また、メインミッションとは別に全ステージで「10個のメダルを集める」という収集系のサブミッションも存在し、これを集めるとエクストラ要素がアンロックされる(多分)ようになっている。 ただ、このメダル収集が少々曲者で……ってまぁこれには後々触れるとして! 次は肝心のおもちゃとの戦闘を解説だ!


↑大量の雑魚軍団!
プラスチックトゥルーパーズ

ミッションを遂行するアンダーソンを待ち受けるのは”日焼け軍”から送られてきた数々の刺客たち。雑魚の「ミニフィグ兵」や完全にDuke Nukemな「アサルト/バズーカ兵」など、見た目も攻撃方法もバラエティに富んだ23種類が登場する。

さて、今回はこの中でも特に気を付けるべき4体を紹介しよう!


スーパーマンもどき 「Tran Man」
往年のスーパーヒーローを彷彿とさせるブルーのスーツのフィギュア。 エイムが追い付かないほどの速度で移動し、離れたところから爆風ダメージ有の「ファイアーボール」を飛ばしてくる。 攻守共に平均的なバランス型で危険度は低め。

攻略法: 攻撃モーション中にショットガンを叩き込め。
アメコミフィギュア度★★★☆☆


アクロバティックドール  「Kickachickz」
華麗な足技でアンダーソンを翻弄する厚化粧のチャーリーズエンジェル。 出現と共に一気に間合いを詰めてくる近距離型で、側転やバク転を使って銃弾を避けまくる強敵。 同時に3体出現するリビングルームでの死闘は序盤での山場。

攻略法: アクロバティック中は全ての攻撃が無効だ。 隙を狙え。
バービー人形度★★★★☆


2段変形ロボ 「Robo Changer」
ロボ/タンクの2種類の形態を使い分ける巨大ロボ。 近距離攻撃の「バーナー」と遠距離攻撃の「砲撃」を駆使してくる非常に危険なボスクラスの敵。 エマージェンシー系の色使いながら戦車に変形するところがイカす。 メーカーはハズブロ社で間違いない。

攻略法: 足元を破壊→頭部を攻撃の黄金パターン。
トランスフォーマー度★★★★★


超巨大バトルビースト  「Mechasaw」
ゲーム内で最大のデカさを誇る大ボスバトルメカ。 のしのしと歩き機動力は低いものの、両肩に背負った「ミサイルランチャー」の威力は凄まじく火力は一級品。 トロイからって油断すると数十発のミサイルを食らうハメになるので注意。

攻略法: 通常攻撃では歯が立たない。 タレットを駆使しよう。
ゾイ度★★★★★+★★★★★


う~ん最後の敵なんてもう懐かしのおもちゃ「ZOIDS」にしか見えない! これぞノスタルジー!(笑)

このように本作の敵は個性的でファニーなメンツばかり用意されており、”よく見ると可愛げのある”やつらとのバトルはマジで必見だ!……ていうか金髪のDukeみたいなやつ! お前元ネタは「G.I ジョー」と見せかけといて実は「スモール・ソルジャーズ」だろ! 俺はフィギュアだって持ってんだ!俺の目は誤魔化せない!(笑)


↑庭で火炎放射器はヤバいだろ(笑)
おもちゃ兵器大集合

さて、そんな危険でノスタルジックなおもちゃと戦うために緑軍から支給された武器は「M-16」・「ショットガン」・「ガトリングガン」・「火炎放射器」・「バズーカ」の5種類。 安っぽい見た目がいい味を出しているオールプラスチック製の武器だ。

この中でもショットガンが抜群に使い易く、雑魚キャラからボスクラスまで幅広く対応でき、 しかもショットの威力が上がる「パワーアップアイテム」を取ると上の項でも説明した「変形ロボ」でさえも楽に倒せてしまうという優れた逸品。

まぁ裏を返せばショットガン以外の出番が少ないということで、バズーカとガトリングは強力だが移動が遅くなるため実戦には不向き、火炎放射器は射程が短いのに加え”噴射した炎に当たると自爆”してしまうので論外。 M-16はショットガンが届かない高所の敵を狙うぐらいのもので、思わず「見た目も中身もポンコツな武器ばっかよこしやがって…」と心の声が出てしまうこと請け合い(笑)

↑戦車に乗って突撃だ!
いやはやそんなポンコツな緑軍の武器だが、「戦車」「ボート」などの兵器だけは強力なものとなっているので安心してほしい。 本作ではステージの要所に兵器を使ったレールシューティングパートが盛り込まれており、今まで散々苦しめられてきたおもちゃ共(特に金髪Duke!)をバリバリと倒すことができるのだ。 思う存分プラスチックに銃弾をブチ込んでやろう。

ちなみにこのレールシューティングでの一番のポイントは”ノロノロと進んでいくおもちゃに搭乗している”ということで、リビングの机の下をくぐったり、ボートでバスタブの中を進んでいったりと、気分はさながら遊園地のアトラクション

見た目は死ぬほどチープだが、ゲーム内でのアトラクション(ライド物)が好きな自分にとってはかなりグッとくるポイントだった。 緑軍……見直したぞ!(笑)


↑すげー見辛い固定視点!
メタスコアは堂々の30点

ガリバーな世界で色々な兵器を駆使し、様々なおもちゃと戦っていく……ゲーム画面はチープながらもこれだけ聞くと面白そうに聞こえるかもしれない。 しかし……!大方の予想通り本作は非常に評価が低く「アーミーメンシリーズに泥を塗った」とも言われている程の駄作。 ここまでなるべく面白くに見えるように書いてきたがもう限界だ! 本作はクソゲーだったのである(驚)

まず一番の要因がカメラ視点。 開けた場所では基本的に自由に動かせるのだが(左右のみ)、棚やタンスの端など”繊細なジャンプさばき”が必要になる箇所では固定視点となり非常に見辛くなっている。 さらに見辛いだけでなく”ジャンプ中に視点が切り替わる”なんてこともある劣悪仕様。 おまけに時折起こる”入力した方向とは別の方向に動いてしまう”という謎現象も加わり、高所から落ちてゲームオーバーになってしまうのが頻繁にあった。

もちろんゲームオーバー=最初からやり直し「チェックポイント」なんていう生ぬるいシステムなんて本作には存在しない。 ただこれは硬派な洋ゲーではよくあることだが、ここで仇となってくるのがサブミッションのメダルの収集だ。

↑パラシュートでのメダル獲得は困難を極める
リスタートするとメダルのカウントもゼロになってしまうので、また1から集め直さなければならず、そのメダルも柱の陰やコップの中など”無駄に手の込んだ場所”にあるので非常に面倒くさい。 そしてやっと集め直したと思えば上記の”運否天賦の足場ギャンブル”でまたゲームオーバー……。 戦闘で負けてしまって死ぬのならわかるが、「方向キーの誤作動」で死んでしまうのは本当に虚しく、ゲームのテンポは非常に悪い。

それに加えもう一つテンポを悪くしているのが、ゲーム中に頻繁にかかってくる無線連絡。 ボタン連打で飛ばせるのが救いだが、ちょっと敵を倒したら連絡、ちょっと移動したら連絡とマジでウザい。 その連絡内容も「今から敵のウェーブが来るぞ~」敵を倒す→「また次のウェーブが来るぞ~」が延々と続くという酷いもの。 もうホントにちびちびちびちび小刻みに進んでいくので「ミニマムなのは見た目だけにしてくれよ!」と思わずツッコんでしまうぐらいだ。

他にもオブジェクトにハマってリスタートを余儀なくされたり、使いまわしのステージが多かったりと残念な部分が目立っており、そもそも「30種類のステージ!」とはいうものの蓋を開けてみればその殆どが数分程度で終わるような短いミッションという目も当てられない事態。 これぞザ・スタンダードなクソゲーと言える出来だ。

さらにさらに……この機会だから最後のラストステージに関して言わしてもらおう!
盛大なネタバレだがそんなことは関係ない!!!



恐怖のラスボス4連チャン

ジィィィィィィイザス!!! この期に及んで俺の一番嫌いなパターンできやがった!(笑)

2連チャンはまだOK、トドメの一撃だけ&シチュエーションが変わっての3連チャン目もまだ許そう。 しかし!本作のラスボスはフルパワー4連チャンという鬼の猛攻でもはや「ここは地獄なのでは?」と錯覚するレベル。 このクソゲーを締めくくるに相応しいHELL仕様となっているのだ。

もちろんラストステージと言えどメダル集めや足場ジャンプも普通に存在。 「雑魚&中堅クラスとのバトル」→「足場ジャンプ」→「ラスボス戦」という流れなので、ラスボス3戦目ぐらいで死んでしまうと「また最初からかよ……てかそもそも俺は何でこんなゲームをやっているんだ」と賢者モードになり、集中力が切れ死にまくるという悪循環。 正にクソのスパイラルといえよう。 健全なゲーマーには全くオススメしない危険なゲームだ。 心してプレイしてくれ。

※クソどうでもいいが、ラストステージの最初に置いてある「ライフパック」はブラフだ! ラスボス戦まで取っておかないとクリアは不可能だぞ!(笑) まだ見ぬクソゲーマーよ健闘を祈る!


↑エクストリーム配管滑り!
ボーナス面&エクストラ

そろそろ最後の締めに入りたいところだがこれを紹介しなければ終われない。 本作にはメインのミッションの他にボーナス面の「パイプスライダー」(勝手に命名)が6面用意されており、これが意外にもアツい出来となっているのだ。

内容はプラスチックのボードに乗って排水管を滑っていく強制スクロールアクションで、障害物を避けながら制限時間までに一番下にたどり着けばクリアというもの。 5面までは普通にクリアできるが問題は6面。 シビアな制限時間に迫りくる壁、そしてパイプ内に張り巡らされた機雷を避けながらハイスピードで滑る……もう脳汁出まくり!なこのボーナス面はメインのクソさとは裏腹に高いポテンシャルを誇っているナイスなミニゲーム。 是非クリアを目指してくれ。

一応最後にエクストラ要素にも触れておくが、こっちは「本編に出てきたムービーの鑑賞モード」・「ビビる程面白くないバトルアリーナモード」・「2トーンカラーのやる気のないキャラ紹介」と最悪なので見なくても問題ない。 って俺は一体何のためにメダルを集めていたんだ!ふざけるな!(笑)


↑確かにおもちゃ感はいいのだが…
2006年のゲームとは思えない

プレイ時間は10時間程度(!)で、理不尽なシステムが故に数分のミッションに1時間以上かかってしまうこともあった。 うむ、正にクソゲーだった。 てかスクリーンショット5枚程度で終わらすつもりがこんなに長いレビューになるとは。 まったくクソゲーの持つポテンシャルは恐ろしいな(笑)

そういや個人的には「なんてハードコアなゲームだ!」と思ったりもしたのだが、海外では「生ぬるい難易度」と書き殴っているレビューも存在し、己のゲームスキルの低さを再認識させられてしまった。 ま!1ミリたりとも落ち込んでないがな(笑)

国内版のXbox/360では起動不可、北米版の360も起動不可、プレイするには北米版Xboxが絶対必要ともはや誰にもオススメしない本作。どこに需要が有るのか分からないが、今回せっかくプレイしたので取り上げてみた。 ……最後に一言「3DOの製品買えばよかった!」 以上!(笑)

↑バーベキューにされちゃう!(笑)