360 「Ride to Hell: Retribution」

2013 Deep Silver
Eutechnyx
360/PS3/PC
↑激渋ハーレーにライドオン!
北米版Xbox360ソフト「Ride to Hell: Retribution」を紹介!

ハーレー×ハードロック×金髪ギャル!60年代のアメリカを舞台に、ナム戦帰りのバイカーが暴走ヘルライド! 完全に2013年製とは思えない”ダーティな作り”にゲームの評判も地獄行きだ!!!

大手レビュー集計サイト「Metacritic」にて超絶低スコアの19点をマーク、PS3版に至ってはは”PS3ソフト史上最低スコアの13点”をマークしたホンモノ中のホンモノ。 この歴史的とも呼べる惨劇を目撃せよ!(笑)


↑カットシーンはカッコイイ
地獄から蘇ったゲーム

13点というワースト1位の点数を叩き出した”悪い意味で歴史的”な本作は、ハーレーをブッ飛ばしながらバイカー軍団と戦うアクションゲーム。 世に送り出してしまったのは「Eutechnyx」という近年では「Nascar Racing」シリーズをリリースしているデベロッパー。

実はこのゲーム、2008年に開発が発表されたものの一時は開発中止になり”死んだゲーム”となっていた経緯があり、2013年に何を思ったか墓穴から引きずり出す形でリリースされたのだ。 しかし、開発当初のままという訳には行かず、元のコンセプトだったオープンワールド部分は根こそぎ削除、代わりに自由度の欠片も無いバイクレースと単調な戦闘が詰め込まれ、更に昔のトレイラーで流れていた楽曲「Born to Be Wild」も未収録という粗悪なゲームに仕上がってしまった。

見てくれだけの静止画では分かり難いかもしれないが、少しでもこのゲームの持つ魅力(クソさ)を伝えられればと思う。 


↑バイカーとの決死のバトル!(笑)
漢の復讐ストーリー!

ゲームのストーリーは、シンプルに”殺された兄の敵を取るために暴走族を潰す”というモーターヘッドの歌詞にでも出てきそうな王道ペイバックもの。 極悪非道なバイカー集団「ヘルズ・エンジェルス」の幹部を一人ひとり血祭りに上げて、チームを滅ぼすのがゲームの目的だ。

基本的な流れとしては「街で装備を整える」「バイクで目的地まで飛ばす」「敵のアジト等でドンパチ」といった感じで進行。 箱庭パート・移動パート・TPSパートが存在する。 開発当初の名残なのか箱庭パートは存在はするものの、端から端まで徒歩30秒という極小マップで、出来ることは「アイテムの換金」「武器を買う/強化」「バイクの改造」の3つのみ(笑) 人気も無く完全にゴーストタウンと化している街はある意味必見かもしれない。

最初はもちろん金もないし、バイクの改造もダサいパターンしかないので(これは最後までダサかった…)街をぶらつく意味は全く無い。 とりあえずはハーレーに跨ってミッションに繰り出すしかない。 さぁここからが地獄の始まりだ……!


↑横滑りなんて関係ねぇ!
地獄のキメキメハイウェイ

早速移動パートが始まり、ハーレーを飛ばす……すると即座にある違和感に襲われる。 
「あれ?これ、一本道じゃね?」 そう、それはマップも無ければ横幅もない、後ろを振り返ることすら許されない本当の意味での一本道。 目的地まではこの狭い道で障害物を避け続ける”障害物レース”が展開されるのだ。 

しかも障害物に当たっても派手なクラッシュシーンなんて無く、ただブラックアウトして道路の真ん中に戻されるマリカー仕様。 3回位連続でミスるとゲームオーバーという理不尽さも完備している。 てかそもそも「バック走行」すら出来ないので、クラッシュしようがしまいが障害物の前でブレーキ踏むともうアウト……。 この時点でやる気をなくしてしまうが、もっと酷いのが運転中の敵とのバトル。

↑ポリスメンをスマッシュ!
何処からともなく敵が現れると、急に「自動運転」が発動し、画面に表示されるボタンを押してのQTE戦闘が始まる。 普通に”ロードラッシュみたいにボコスカ殴る戦闘”にすりゃいいのに、味気のなさすぎるバトルの頻発には戸惑いを隠せなかった。

一応「サブマシンガン」を使っての戦闘もたまーに発生するのだが、敵に近づくと微妙に長いスローモーションタイムになり「今だ!撃て!」な過剰な演出でスピード感が台無しに。 BGMも数パターンのフレーズをループするだけなど、全ての要素においてガッカリ感がハンパないバイクパート…。

いやはや「Grand Theft Auto V」と同じ年のゲームとは到底思えない出来に脱帽だが、これで終わりではない。 辿り着いた先では更にガッカリな”バイカー共との銃撃戦”が待ち受けているのだ。


↑ヘッドショットが肝となる!
序盤から大苦戦のTPSパート

ゲームの大半を占めるこのTPSパートは、メイン/サブの2種類の武器を使い分けていくオーソドックスなタイプ。 見た目はなんら他のゲームとは変わらないのだが、ヤバいのが武器の威力についてだ。 ヘッドショットを前提としているからなのか、頭以外への攻撃は非常に弱く設定されており、ザコ敵でも適当に戦っていると10発消費とか普通にある”全然嬉しくないトリガーハッピー”仕様。

正直ザコでもキツイのに”ヘッドショット無効”という唯一の希望を打ち砕く「ジェイソンマスクマン」なんかも登場し、敵のラッシュ後には”手持ちの弾薬が大ピンチ”なんてことも結構あった。 対策としては、敵を倒したら手に入る無駄に種類が豊富な「麻薬」を集めまくって街で換金し、所持金が貯まったら直ぐにメイン武器を最強になるまで改造すること。 これしかない。

ショップでは新しいスキルなんかも買えるが、そんなものは完全に後回し。 真っ先に改造することでようやく普通に戦えるレベルになる。 他にも、もはや見えないレベルの遠方からの銃撃や(何処からともなく飛んでくるロケット砲はマジで恐怖)敵の早すぎる攻撃のレスポンスのせいでカバーポイントから離れられないなど、戦闘に関しては結構シビアな印象を受けた。 もしこの先プレイすることがあるなら、真っ先に改造をすることを頭に入れておいてほしい。


↑漂うプロレスの場外乱闘感!
肉弾戦もガッカリだ!

ゲームを進めていくと、時には己の拳や「バット」なんかを振り回しての肉弾戦になるのだが、こっちも上記の銃撃戦に負けず劣らずかなりムズイ。 ムズイというかとにかくガードがウザい。 こっちの攻撃がかなりの頻度でガードされてしまうため、雑魚1人倒すだけでも時間がかかってしまう。

更に必殺技の度に面倒くさいQTEが始まったり、「ビリヤード台」「ジュークボックス」等を利用してのオブジェクト攻撃が”全て同じモーション”などなどことらもガッカリな仕様……。 これならヘッドショットさえ決めればOKな銃撃戦の方がまだマシなレベル。 残念な箱庭にバイク面、ガッカリな戦闘……もう!このゲームには良心というものがないのか!

……いや、あるぞ!!! このゲームには紹介しなければならないポイント、それも良心どころか今までの失点をチャラに出来るかもしれない重要なポイントがあった!!!(驚)


↑これだ!これを待っていた!
超XXXな描写!

はい、もう最高(笑) 本作にはエロティックな描写がふんだんに盛り込まれており、金髪のブロンド姉ちゃんから褐色の肌のダイナマイトな姉ちゃんまで、様々な女の子との濃厚なラブシーンが収録されているのだ!!!

服を脱がないプレイスタイルはちょっと残念だが、トップレスの女の子が出てくる「ストリップバー」も登場するのに免じて今回は許してやろう!(笑) ”性豪”と化した主人公は女の子を取っ換え引っ換え抱きまくる、通常のTPSゲームでは考えられない異常事態はマジで必見!!!

↑鬼気迫る野外プレイ……!
「いやいや、こんなの最近の洋ゲーではよくあることでしょ?」……確かに、今までゲーム中にエロティックな要素を入れてくるアクションゲームは確かにあった、では何故これだけ興奮しているのかと言うと、”ゲーム開始20分で4人を抱く”(VIDEOGAMEAGES調べ)もうこれに尽きる!(笑) 

暴漢に襲われている女の子を助け、そのまま逆に誘惑されたかと思うと、今度は普通に談笑してるところから”何の脈絡もない”ベッドシーンへ突入(笑) 事後のピロートークでストーリーが進行なんていうアホみたいな演出も完備……。 はっきり言ってこの異常な頻度は、もはや何のゲームをプレイしているのか分からなくなってしまう位だ(笑)

個人的にはこれだけのためにプレイする価値は存分に有ると思う。 ちなみに、間違いなく本作のハイライトシーンである、ポーカーフェイスの”機械的な絶頂シーン”は是が非でも見てもらいたい。 思わず吹き出してしまうこと請け合いだ(笑)


↑なんだこの改造チェーンソーは!
打倒ヘルズ・エンジェルス

こうして途中にエロ描写も交えながら戦いを進め、要所で敵の幹部との決着を付けていく主人公。 ボス戦はタレットを使っての戦い格闘バトルなんかもあるが、意外にも難しく感じることはなかった。 むしろボスと一緒に沸くザコラッシュの方が何倍もキツイので、こっちの方が注意が必要だ。

幹部の人数は6人存在し、馬鹿でかいスキンヘッドの「ANVIL」や、チェーンソーを振り回すモミアゲ男「TRIPLE SIX」など個性的な面々が登場。 どいつもこいつも”アメリカン・ニューシネマ”にでも出てきそうな見た目で雰囲気はかなり良い。 個人的に一番のお気に入りは、ミステリアスで口数の少ない「GREASY STEVE」。 顔面を覆い尽くす漆黒の髭は完全にストーナーロックバンドのそれ(笑)
夜のクラブでデザートロックをプレイしているに違いない!(どうでもええわ!)

爽快感等は微塵も感じられないが、個性的な幹部たちとの戦闘はテンションの上がる場面なのは間違いなく(少なくとも俺は!)、エロシーンに次いで評価できるポイントと言えるだろう。 ……俺はこういう個性的なボスに弱いんだ!(笑) 最高!!!


↑サイドカーで機銃掃射!
そこまで言うほど悪くない

劣悪なシステムを多く搭載していたり、バグでイベントが発生しないなど未完成な部分があるものの、実際は意外と普通に遊べるような出来で、そこまで悪くない印象を受けた。 というか個人的にはブッ飛んだエロ要素だけで十分満足。 期待していなかっただけにこの収穫は大きい(笑)

プレイ時間は大体10時間程度。 クリアした後はミッションのリプレイも搭載しており、ステージに点在する「開発者の顔がプリントされたトランプカード」を104枚集めるというふざけた収集物に精を出すのもいいだろう。(全て集めるとポーカーがプレイできるらしい……多分…。)

360/PS3版共にリージョンフリー&値段も比較的安価なので、近年のクソゲーに飢えているクソゲーマーにのみおススメする! クソゲー最前線を目の当たりにしてくれ! 以上!

↑やっぱ脱がないのはオカシイだろ!(笑)