360 「Dead Rising」

2006 Capcom
360/Wii
↑スーパーマーケットで暴走!
北米版Xbox360ソフト「Dead Rising」を紹介!

何が何でも72時間生き延びろ! 誰もが夢見た”ゾンビ×ショッピングモール”という最強のシチュエーションを体験できる文字通りの”ゾンビパラダイスアクション”ゲーム!!!

今更感がハンパないがそんなの関係ない!まずはストーリーから説明しよう!


↑圧倒的なゾンビ描写数
ゾンビアポカリプス

物語の主人公となるのは、フリーのジャーナリスト「フランク・ウエスト」
―アメリカの田舎町コロラド州ウィラメッテが封鎖された― 突如として舞い込んだこの情報にスクープの匂いを感じ、フランクは民間ヘリをチャーター、カメラ片手にウィラメッテへ向かった……。

しかし、上空から見たウィラメッテの街には、物々しい軍隊と暴徒と化す市民の集団が……。 この異常事態に俄然燃えるジャーナリスト魂。 「あそこで降ろしてくれ!」 そう指さしたのはこの街で唯一の巨大ショッピングモール「パークビューモール」の屋上。

「3日後の正午にここで会おう!」 パイロットと再会の約束を交わし、フランクは特ダネを求めモールへ降り立つ。 期限は”3日間=72時間”(1日はリアルで2時間)この限られた時間の中で特大のスクープを手に入れることができるのか……ジャーナリスト・フランクの戦いが今幕を開ける。


↑モール内でサイクリング!
ショッピングモールがくれた自由

完全に映画「Dawn of the Dead」フォロワーな本作は、郊外のショッピングモールを舞台に”ありとあらゆる武器でゾンビ共を料理できる”今までに無かった新しいゾンビゲーム。 基本的には事件の真相を追いかけながらも、モール内に取り残されてしまった人々を救助していく感じでゲームは進行。 しかしこれは強制ではなく、とにかくプレイヤーは”与えられた72時間好き放題していい”のだ。

もちろんストーリーを進めたり人々を救助しまくるのもいいのだが、とりあえずそんな細かいことは置いといて(笑) まずは日用品売り場で「スレッジハンマー」「ファイヤーアックス」を強奪、ゾンビ相手に性能をチェックしつつブティックで汚れた服と「高級スーツ」を交換。 ついでにフードコートに寄って「パイ」「ワイン」で流し込み泥酔、そして最後は「オープンカー」で中庭を爆走……もう完全にやりたい放題だが、本作ではこれが日常。 全くもって正しいプレイスタイルなのだ。

極端な話”72時間ヘリポートで突っ立っててもOK”な位に何をしようが全てプレイヤーに委ねられている本作。 ストーリーや肝心な部分は後でプレイすればいいので、とにかく最初はこの「巨大なおもちゃ箱」と化したショッピングモールで欲望を爆発させるのが先決だ!準備はいいか?いくぞ!


KILLING ZOMBIES
「ガンショップ」「骨董品店」をはじめ、モール内には強力な武器が置いてあるショップが多く存在し、撃つ・斬る・刺す・投げる・轢く・潰す・転ばす…etcなどなどあらゆる方法でゾンビを血祭りに上げることができる。

ガンショップでは「ハンドガン」・「ショットガン」・「ハンティングライフル」の銃器が、骨董品店では”斜め切り”で切れ味を体感できる「日本刀」やグラディエーター御用達の「中世バトルアックス」などの刃物が入手でき、どれも破壊力満点の充実のラインナップとなっている。

もちろん、骨董屋でのレトロな「長剣」や精肉店での「肉切り包丁」など頼りになる武器もいいのだが、ここはあえて楽器屋に行って「ストラトキャスター」「フライングV」”試奏”してみたり、ショーウィンドウにディスプレイされている「プラズマTV」を片っ端からブン投げるといった”モールならでは”の体験をおススメする。 見たものすべてをブチ壊すデストロイヤーと化してやろう。


そして!中でも最高なのがモール内に2店舗もある「ホームセンター」という名の巨大武器庫。 「チェーンソー」「大鎌」は言わずもがな、ゾンビの胴体を真っ二つにする「巨大園芸バサミ」やスプラッター映画でお馴染みの「芝刈り機」など想像するだけでもヤバそうなシロモノが多数存在。 ゾンビの頭にブッ刺して”血のシャワー”を降らせる「シャワーヘッド」なんてのも入手できる(笑)

いやはやここで「BRAINDEAD」ごっこが出来るなんて思ってもみなかった!なんたるサプライズ! ……まぁ全て刈り取る前に壊れてしまうがな(笑) そうそう、このように本作に登場する武器には全て耐久力が設定されており、入手した武器を永遠に使うということは出来ないのだ。 

「日本刀」など刃物系の武器は強力だが非常に耐久力が低く、逆に「フライパン」「マネキン」など見るからに適当な武器が壊れにくかったりするので、強力な武器を後述するボス戦のために温存し、比較的手に入りやすい適当な武器でゾンビを薙ぎ払うのがベターな戦略だ。 ちなみに長生きのコツはどこに何の武器があるか頭に入れておくこと! 間違ってもおもちゃ屋には近づくなよ!ゴミしか置いてないぞ!(笑)


FOOD & DRINK
大量のゾンビとの戦い……いくら強力な武器を持ってしてもやはり無傷という訳にはいかない。
そんな疲れた体を癒してくれるのが、モール内に無数に存在するフード&ドリンクの存在だ。

小腹が空いた程度ならファーストフード屋やカフェでも十分だが、やはり真髄はノースプラザの外れにある食料品売り場だろう。 もう完全にスーパーマーケットが再現されており「リンゴ」・「オレンジ」・「メロン」などのフルーツから、「レタス」・「ダイコン」・「ズッキーニ」などの野菜、そして冷凍食品の「ミックスベジタブル」「ヨーグルト」などの乳製品とバラエティに飛びまくり! しかもついでにパン屋&酒屋まで併設という大盤振る舞い! 異様な作りこみの食料品売り場はマジで必見だ!


回復と言えば、本作では飲食店に設置されてある「ミキサー」にアイテムをブチ込むと「ミックスジュース」を作ることができる。 普通に食べ物を食べてもいいのだが、ミックスジュースだと回復量が増え、その上種類によっては「移動速度UP」「ゾンビが噛みついてこない」などブースト機能も付いてるという優れもの。 ピンチの時には非常に頼りになるので、一本は常備しておくのがいいだろう。

基本的には”食べ物しか混ぜることができない”のだが「クッキングオイル」なんかの危ない物体もミックスすることができるので、気分はちょっとしたロシアンドリンクバー。 しかも、そんな時に限って出てくるのが「黒いミックスジュース」。 もちろん高確率で腹を下してしまうから注意が必要だ。 他にも「生肉」も腐って腹を下すので注意。 ちなみに「生魚(鮭)」は打撃武器だ!関係ない!(笑)


BAD ASS FASHION
ここまでハイテンションで飛ばしてきてしまったが、中には「僕…シャイだしハジケるの苦手(>_<)」ってな感じのナードも居ると思う。 そんな繊細な君には”形から入る”のがオススメだ! この「アホ面ベアー」を装着してシャイな自分に決別しよう!子供服コーデだとなお破壊力UPだぞ!(笑)

そう、このようにモール内にあるファッション/アパレルショップでは、「ピチピチの子供服」から「成金スーツ」まで様々なコスチュームが用意されており、思う存分オシャレを楽しめるようになっている。
それも服だけではなく「靴」・「サングラス」・「帽子」といったアイテムまで幅広く完備。 髪の毛を染めることだって可能だ。 試着しまくって究極のスタイルを見つけよう。


また、最高なのが着替えた服が”ムービーに反映される”ということ。 ゲーム柄シリアスな場面が連続するのだが、そんな場面で”お洒落フランク”が映ってしまうともう台無し(笑) 上の画像では”特殊性癖を持ったおじさんがたじろいでいる”様にしか見えない。 正にバッドアススタイルだ!(Huh?)

……「なにがおもろいねん!」と思うかもしれないが、このような意味の無い遊びを楽しめないのなら、本作をプレイしてもあまり面白くはないだろう。 そもそもファッションを変えたところで何も意味がないし、何ならほぼ存在意義の無い武器/回復アイテムも無数にある……この状況をいかに楽しめるかというところに「Dead Rising」が神ゲーになるか普通の良ゲームになるかがかかっている。

何が言いたいかというと、意味の無いアイテムに意義を見出すことがジャスティスだということだ! 是非想像力を働かせて”モールライフ”をエンジョイしてくれ! 健闘を祈る!!!


↑生存者を説得して救出だ!
救出ミッション&ストーリー

ふぅ……少しふざけすぎてしまった。 恐らく目がチカチカしてると思うので、ここらで一旦落ちついてメインとなる救助&ストーリーを解説しよう。

モール内には約50人もの多くの生存者が取り残されており、彼らを救助するにはゲームの拠点となる「警備室」まで連れてこなければならない。 もちろん、警備室までの道中で市民を守るのもフランクの仕事なのだがこの”エスコート”が意外に難しく、そう簡単には警備室にたどり着けない。

というのも、一応「付いて来い・待機・あそこに行け」という具合に指示ができるのだが、これが絶望的に聞いてくれないのだ(笑) 待機と言っても勝手にゾンビと交戦して瀕死になるし、○○に行けと指示を出しても途中で立ち止まりゾンビの餌食に……しかもフランクの攻撃は仲間にも容赦なくヒットするので、ゾンビを倒そうと思ってFFなんて日常茶飯事。 日本刀みたいな攻撃力の高い武器なら目も当てられない事態になってしまうので注意が必要だ。

また、本作にはレベルシステムが存在し、上がる毎に持ち運べるアイテム数が増えたり、最大ライフが増加するなどの恩恵を受けることができる。 上記の救助行為はもらえる経験値が非常に多く、レベルが低い序盤では積極的に救助して経験値を稼ぐのをオススメする。 (ゾンビや生存者の写真を撮ることでも経験値は獲得できる。こちらもオススメだ。)

↑時には重労働も強いられる(笑)
ストーリー進行については独特なシステムが採用されており、物語を進めるためには指定された時間・場所で起きる「ストーリーイベント」を見なければならない。 その時間に間に合わなければ”スクープロスト”となり以降のストーリーは進めることができず、事件の真相も闇の中になってしまう。

ただ、スクープをロストしてしまったからといってゲーム終了というわけではなく、モールで暴れたり生存者を救出したりと”期限の72時間まで引き続きプレイ”することができる。 死んでしまってもレベルや経験値は全て引き継げるので、”避けては通れないボス戦”等もあるストーリーはある程度レベルを上げてからじっくり挑むのがいいかもしれない。

生存者全員救出や、ストーリーイベントを全て埋めるのはかなり大変だが、シークレットコスチューム等の隠し要素がアンロックできるので頑張ってクリアしてみてほしい。 まぁ当たり前のようにコスチュームの実用性は皆無だがな!(※隠し武器の実用性は★★★★★)


↑マンハント軍団の登場だ!
バトル・オブ・サイコパス

ストーリーや救助を進めるにあたって、フランクの敵となるのはなにもゾンビだけではない。 モール内にはこの混乱に便乗した犯罪者や、絶望的な状況で精神がイカれてしまった狂人=サイコパスが待ち受けており、強力な攻撃とハイセンスな個性(笑)でフランクの行く手を阻んでくる。

個人的に必見だと思うサイコパスをちょっとだけ紹介しよう!セリフは気にするな!(笑)


狂気の殺人ピエロ「Adam」

屋内遊園地のある「ワンダーランドプラザ」に出現する”泣く子も更に泣く”恐怖のピエロ。 二刀流の「小型チェーンソー」を装備しており、刃先で銃弾を弾く曲芸師ぶりでプレイヤーを苦しめる。

TIPS:ホラー映画ばりの死に様はもはや語り草。
Adam「イッショニアソボウヨ……」


脳内終末カルト教祖「Sean」

シネコンを占拠している見るからに危ないカルト教団の教祖。武器は特殊仕様の「長剣」。 黄色いレインコートを着た「信者」を山ほど従えており、「異教徒はSATSUGAI だ!」とフランクを狙ってくる。 

TIPS:若い女性を”生贄”にするあたり、闇を感じる。
Sean「私が救済してあげよう 死という救済を……」


熱烈歓迎スーパー店長「Steven」

食料品売り場に潜む魔物。 元は優しい店長だったが、ゾンビに食われていく客や商品を盗みに来た暴徒を目の当たりにし覚醒。 包丁やガスバーナーを括り付けた俺ジナル「ショッピングカート」で武装している。

TIPS:隠し持っているショットガンに気を付けろ。
Steven「ディス イズ マイ ストォーーーーーーァア!」

う~んこのひたすらに濃いデザイン……渋すぎるぜ……!!

他にもホームセンターに出現する「ベトナム帰還兵」や、ブティックでの「変態婦人警官」との戦いなど見どころは非常に多い。 やはり本当に怖いのはゾンビなんかより”生きた人間”ということが分かるな! ちなみにサイコパスは常時居るわけではないので、サイコパス出現や生存者情報は警備室の仲間「オーティス」からの無線で教えてもらおう! 全てのサイコパス討伐を目指せ!


↑フランク大ピンチ!
Overtime & ∞ Mode

苦しい戦いの後、ストーリーイベントを全て埋めてヘリポートへ行くと、延長戦となる「Overtime Mode」なるものに突入する。 詳しくは書かないが、ゾンビアポカリプスの真相が暴かれる必見の内容となっている。 真のエンディングを見るために頑張ってストーリーイベントを埋めよう。

そして上記のモードをクリアすると「∞ Mode」という”何日生き残れるかの究極のサバイバルモード”がアンロックされる。 このモードでは食料は有限となっており、生存者もフランクを攻撃してくるハードな内容。 しかも時間と共に体力が減っていくので、少ない食料をやりくりして生き延びなければならず、セーブも不可能というおまけ付きだ。

3日生き延びるだけでも難しいこのモード、2015年5月現在の世界ランキング1位は”17日と7時間7分”(約34時間連続プレイ)というとんでもない記録となっており「武器でも食ってんじゃねぇの?!」と突っ込みたくなるぐらいだ。 いわば本作における真髄とも呼べるモードなので、アンロックされたら是非プレイしてみてほしい。


↑パラダイスの名は伊達じゃない
怖くないゾンビゲーム

2006年リリースという360でも比較的初期の作品ながら高い完成度を誇っており、現在ではシリーズ4作を数えるヒットシリーズとなった「Dead Rising」。 ショッピングモールならではの自由度と、画面を埋め尽くす圧倒的なゾンビの描写数は360プレーヤーなら是非とも体験してみてほしい。
(Wii版は本作のリメイク作品で、一部表現の変更とWii版独自のアクションが追加されている)

ちなみに本作は洋ゲーではなく和ゲーであり、意外にも日本で制作されたゲームなのだ。 ただ、非常に海外を意識して制作されているめか、和ゲーでは珍しくバイオレンス表現に力が入っている。 刃物での”胴体斜めカット”や腕を突っ込んでの”腸引き出し”などなかなか凄まじく、キャメルクラッチで首を引っこ抜くなんて芸当も可能だ。

……まぁ当たり前のようにこれは海外版での話で、国内版は部位の欠損が無く血の量も少なくなっている。 日本のゲームなのに日本版は規制って……まぁ悲しいが仕方ないことだ。 ストーリーを詳しく知りたいなら国内版、思う存分ゾンビを血祭りに上げたいなら北米版をオススメする!以上!

↑これが俺のサバイバルスタイル!(笑)