PC 「Hooligans: Storm Over Europe」

2002 Darxabre
PC
↑スタジアム前の場外乱闘!
PCソフト「Hooligans: Storm Over Europe」を紹介!

飛び交う怒号とアンセム!繰り広げられる暴動&略奪! 悪名高いフットボール狂集団「フーリガン」を題材とした衝撃のリアルタイム・ストラテジーゲームのおでましだ!

最高にイカした日本語訳満載の国内版はマイクロマウス(現 ドライブ)から発売中。


↑ニュース番組風の実写映像!
フットボール・フリークス

フーリガン…熱狂的なサポーター達で構成されているこの集団は、試合の妨害や相手チームサポーターとの乱闘、果ては選手団が乗るバスの襲撃等々を行う”単なるフットボール好き”とは訳が違う危険な集団。 今回紹介するのは、こんなフットボール狂のクレイジーな悪行を楽しめるRTSだ。

全11レベルからなる本作の目的は、”ひいきのチーム”のサポーターとなり、「スタジアムにサポーターを送り込め!」「敵の溜まり場をぶっツブせ!」などのミッションを遂行していき、最後にはワールドカップを舞台に”伝説のフーリガン”になれるか?という破天荒で挑戦的なもの。

システムや操作系統は非常にシンプルで、登場するユニット類も少なく、正直RTS初心者な自分でもすんなり入り込むことができた。 ……すんなり攻略できたかどうかは別としてだがな(笑) まぁまぁ難易度の話は後でするとして、お次は攻略の肝心要となるシステム&ユニットを解説していこう。


↑敵の酒場を乗っ取れ!
ハードコアメンバー

ゲームに登場する味方ユニットは、チームを引率する「リーダー」を筆頭に”ハードコアメンバー”と呼ばれ6種類存在。 こいつらを操ってミッションを攻略していく。 それぞれ攻撃方法や特殊能力が異なり、俊足の「ラット」、警察を引き付ける「レイバー」、車両を扱える「バイカー」などが居り、中でも爆弾を扱える「フーリガン」や、障害物を動かして活路を開ける「バルチ」などはゲームを攻略する上でも重要なユニットとなっている。

これらのユニットを獲得するには、各ステージに点在する「酒場」を乗っ取り、お金を使って雇わなければならない。 しかし、メンバーを雇おうにもステージ開始直後は使える金は少ない。 そうなるとやることは一つ。 強奪してふんだくるしかない。

↑続々と集まる味方サポーター!
ステージに存在する家や商店はほぼ全て強奪の対象となっており、メンバーに指示して襲いにいかせることができる。 これを繰り返して資金を蓄え、「酒場」を乗っ取ると晴れてメンバーを調達できるようになる。 面白いのが、パブでは「全員に酒を奢る」というコマンドがあり10$~500$の間で店に居る客全員にビールを奢ることができるのだ。

ビールを奢ってやると、なんと店にいた客が「俺も混ぜてくれよ!」とほろ酔いで味方サポーターとして参加。 このサポーターは直接指示することは出来ないが、リーダーの「歌う」コマンドにより統率が可能。 汚ったねぇダミ声でアンセムを歌いながら戦闘に参加してくれる(笑) 腕っぷしが弱いのはまぁお約束だな。これで人員確保はオーケーだ。

と、ここまでユニット獲得の流れをざっと書いてみたが……そもそも「ビール奢る」って何なんだよ(笑) しかも合唱で士気上げるとかフザけすぎだろ(笑) 最高だろ!! もうこの時点で本作がイカしたフィーチャーを盛り込みまくっているのが分かるが、クールなフィーチャーはまだまだある。 メンバーが揃えば次は武装フェーズへ突入だ!!


↑如何にもな見た目の武器ショップ!
巻き上げた金でショッピング

本作に登場するフーリガンの初期装備は全員ステゴロで、この状態では店を襲うにしても時間がかかり使い物にならない。 ましてやワラワラ湧いてくる敵のチームに挑もうものなら味方全滅は時間の問題。 ゲームを有利に進めるためにも、まずは「武器屋」で装備を整えなくてはならない。

武器屋では、各ユニット固有の武器3段階までアップグレードが可能となっており、「チェーン」「こん棒」などで武装することができる。 特にリーダーは狙い撃ちの強力な「ピストル」、フーリガンは唯一集団にダメージを与えれる「爆弾」といった凶悪な武器を装備することができるので、乱戦の前には出来るだけ装備しておくのがいいだろう。

ちなみに! 金が無いからって武器屋を襲うのだけはダメだ! ショットガン親父にブッ飛ばされちまうぞ! 超怖ぇえ!(笑)

↑一触即発の状況…!
さて!装備が整ったらいよいよ決戦だ!……ってあれ?もしかしてブルってんのか?オイオイ~!
つーことでこんな”大一番”の前には「ドラッグ」でも一発キメて派手にやるのがベストだ! 実は本作のユニットには「恐怖心」「忠誠心」など細かなパラメータが存在し、場合によってはドラッグや合唱を使って”煽って”やらなければならないのだ。 ドラッグを使いすぎて死んでしまうと元も子もないがな(笑)

武器屋ほど重要じゃないが、ここ一番の時のために「ドラッグ屋」もチェックしておくといいだろう。 おっと!もう一つチェックしとくべきショップがあったな! 戦いの傷を癒してくれる「売春宿」だ!(笑) 売春婦を雇って店外デートへ連れ出し、敵のフーリガンを誘惑するなんてこともできるぞ(笑)

……ドラッグ屋に続いて売春宿って…なんて不道徳なゲームなんだ(笑) フーリガンが題材って時点でもう最高なのだが、その上に乗っかる味付けもクールというかクレイジーというかもう半端ねぇな(笑) しかもこんな危なげな要素も全部翻訳してるところもナイス! 流石あの「Postal」シリーズの日本版をリリースしてる販売元だけあるな!最高!(笑)


↑カオスすぎるだろ!(笑)
大混戦のフーリガンvsポリスメン

戦いの準備が整ったらいよいよ血で血を洗う白兵戦に突入。 憎き敵のチームを自慢の武器でボコボコにしてやろう。 攻撃の指示は個別にもできるが、ここはアバウトに全ユニット選択からの突撃がジャスティス。 敵味方入り乱れる”処理落ち必至”の白兵戦はこのゲームにおいての最大の醍醐味といえるだろう。

また、本作に登場する敵は相手チームだけではなく、 暴徒鎮圧の「機動隊」「警察官」といった国家権力も容赦なく襲い掛かってくる。 機動隊は催涙弾なんてのも使用してくるが、特に注意したいのは警察官による銃殺だ。

↑警察車両が見えたら全力で逃げろ!
機動隊は一見圧倒的な兵力で凶悪に見えるが、基本的に打撃攻撃メイン。 しかも催涙弾は一定時間気絶するだけなので、それに限って言えば実害はあまり無いと言える。 一方、単独で動くいかにも弱そうな警察官は、一度怒らすと真っ先にピストルで応戦してくる厄介な敵。

本作におけるピストルの威力は絶大で、どんなユニットであってもほぼ一撃死。 この警察官一人でチームが壊滅状態なんてこともある。 ただ、これは敵のチームも状況が同じなので、上手く誘導したり巻き込んでやれば漁夫の利を奪えてしまう。

催涙弾で気絶した敵チームを「チャンスだ!」とばかりにボコボコにしたり、機動隊と大乱闘してるところに爆弾を投げ込んでやったりともうめちゃくちゃ(笑) どんなセコイ手を使ってでも勝利を勝ち取るのが”真のフーリガン”の作法だ。 覚えておくように! オイオイ!(Oi Oi!)


↑メンバーの密入国をサポート!
狂気のクライムツアー開幕

フランスやドイツ、オランダなどヨーロッパ各地が舞台の本作。 それぞれの都市でミッションを攻略していく訳だが、その内容も「仲間のフーリガンの密入国を手伝え!」「去年の借りを返すため街を破壊しろ!」なまさかのメイヘムミッションに続き、「銀行強盗した後ダフ屋からチケットを買って来い!」なんて極悪非道なものまで存在。 どれもこれもパンチの利いているミッションばかりで、ブリーフィングの説明の時点でもう面白い。(ブリーフィングはフルボイスだぞ!笑)

まぁこんなむちゃくちゃなミッションが11面用意されているわけなのだが、ブリーフィングは確かに面白い…しかし!いざゲームが始まるとマジで笑えない…笑えないレベルで難易度が高いのだ(笑)
自分がRTS初心者なのもあるかもしれないが、最序盤のチュートリアル面からしてもう難しい! チュートリアルって言っても、基本操作をサクッと教えられただけで「あとは自分で考えて行動できるな!」と渋い声で言われて都会のコンクリートジャングルに投げ出される始末。

なんとか1面をクリアしても次の「選手団のバスを守れ!」というシビアな時間制限付き初心者キラーなミッションに絶望。 基本的に自軍と敵のチームでは圧倒的な兵力差があるのに加えて、このような時間制限等の”足かせ”が非常に多く、無駄な行動をしているとあっという間にチーム敗北してしまう。 ……って言っても本作をプレイしたことない人はピンと来てないと思うので、ここで凶悪なミッションの一例を紹介しよう。

↑電車のタイミングが肝だ。
この面はレベル6のドイツのミッションで、敵の占拠する酒場を2軒乗っ取った後、電車に乗って20人以上で脱出しろというもの。 ミッション開始時点で自軍の3~4倍はいる敵チームに加え、開始10秒で猛ダッシュで襲ってくる敵の増援に囲まれてしまい既に絶望。 なんとかやり過ごすも「試合が終わった!敵の増援が来るぞ!」とまたもや増援到着! ダメ押しの機動隊出動で大ピンチに…。

こんな状況で資金を集め兵隊&装備を調達、店を乗っ取り帰りの電車の到着を待つ。 そして電車が来たと思えばその”短い停車時間”で無事に20人以上乗らなければならない。 無論駅周辺は警察官や敵チームのたむろする激戦区………って無理だろオイ!!!!!(笑)

本作で登場するミッションはほぼ全て上記のような凶悪な難易度のもので、新しいレベルをプレイする度に「こんなもんクリアできるか!」と絶望が味わえる。 このゲームに限って言えばチートコードを使っても良いと言えるだろうが、これはあくまで最終手段だ。 次項にて本作におけるテクニックを伝授しよう! チートを使うのはこれを試してからだ!!!


↑特殊ユニットに気を付けろ!
フーリガンズ・ファクト

ここからはゲーム持っていない人にはちょっと退屈かもしれないが、これからプレイするだろうと踏んでゲームTIPSを書き記していく。 ではいくぞ!


1 直接の戦闘は出来るだけ避けろ!
”乱戦はゲームの醍醐味”なんて書いたとこだが、これは準備が整ってからの話だ。 いくら人数的に勝ってようが肉弾戦ではどうしても被害が出てしまう。 戦闘になってしまいそうなら逃げるか、各地に設置してある「レンガ」を活用して遠距離から攻撃するようにしよう。

2 ショットガン親父を有効に使え!
「武器屋」、「ドラッグ屋」、「売春宿」では上でも書いたように武装した店主が常駐しており、略奪しようとするものに攻撃を与える。 これを逆手に取り、ピンチの時に逃げ込めば、店主がショットガンを使って追っ手を蹴散らしてくれる。

3 建造物からダイナマイトを投げろ!
爆弾を持たせたフーリガンは店の中に居ながら爆弾を遠投できる。 無論敵は反撃してくるが、ショットガン親父とのシナジー効果で簡単に殲滅が可能。 「武器屋」を利用すればたった一人でも”爆弾を投げては購入”を繰り返せるので、少ない兵力で成果を上げれるというメリットがある。

4 少数精鋭で駆け抜けろ!
読んで字の如く、団体で行動すればすぐに気付かれてしまうため少数で行動するのが望ましい。 実は1人2人程度のユニットだと敵の軍団や機動隊を高確率で完全スルー出来てしまう謎現象が起きるので、 これを利用すれば敵に気付かれることなく金を集めることが可能となる。


基本的には”まともにやり合っても勝ち目はない”というスタンスで挑まなければクリアするのは難しく、”アホ程湧いてくる敵チーム”に対抗するにはこれ位セコイ手を使わなければ勝機はない。 これからプレイすることがあるなら是非活用してくれ。 健闘を祈る! (チートコード/Neoseeker.com)←


↑車で殺戮ドライブ!完全にGTAだ!(笑)
ハードコアすぎる難易度

画面だけ見れば完全にアホなB級ゲームに見えるが、正体は限られたユニットを駆使し、そこからどう攻略していくかというかなり硬派なタイプのゲーム。 プレイする前は勝手に”大味なRTS”だと思っていたので凄まじい衝撃を受けた。 チュートリアルでつまずくなんて思いもしなかったぞ!(笑)

しかもバグ技スレスレの方法を駆使しないとクリアできないとかクレイジーすぎるだろ……そうそうバグ技と言えばだな…レベル10のスタジアム戦の事だ。 個人的に一番苦労したこの面、内容は100人のサポーターをスタジアムに送り込めというものだが、敵チームと競い合うになっており、敵チームが150人スタジアムに送り込むまでに完了しなければならない。

!以下ネタバレ!

圧倒的な兵力差でいつも一瞬で敗北しており、「もうチートコード使ってしまおうか…」と考えた矢先に編み出した方法は”入口に車を止めてスタジアムに入れなくする”というセコすぎる方法。

↑絶妙な位置で駐車!からのホームイン!
ミッション開始時に一人だけ居る「バイカー」ユニットに加え、わざと見えないように配置している1台の車……この符号を考えるとこれを使わない訳にはいかない。 スタジアムの入り口に上手い具合に駐車すると、完全には塞ぎきれないもののかなり邪魔な位置で侵入を妨害してくれる。

こうしているとスタジアム前にはどんどんと入場待ちのフーリガンで溢れ、やがては身動きが取れなくなりスタックしてしまう。 この隙に自軍を増員しまくり、駐車場横の第2ゲートから送り込んでフィニッシュ。 もう完全にバグ技かもしれないが、ブリーフィングでも「敵の侵入を妨害しろ!」なんてことも言っていたのであながち正攻法なのかもしれない(笑)

!ネタバレ終わり!

中盤以降の攻略記事等がネットに全然上がっていない事からも、多くのプレイヤーがクリアを投げ出したであろう本作。 この難易度を「ふざけんな!」と取るか「おもしれぇじゃねぇか…」と取るかでこのゲームの価値は大きく変わると思う。 まぁ個人的にはフーリガンが題材って時点で最高なんだがな! フーリガンやバイオレンス物に抵抗が無く、ちまちましたストラテジーが大丈夫なプレイヤーのみオススメする! 


↑ワールドカップを奪え!
Steamで配信してくれよ!

ハードコアな題材にハードコアな難易度……自力クリアするのは大変だったが、昨今の”親切な洋ゲー”に慣れきってしまっていた自分としては良い薬になった。 完全にどうでもいいが、めでたく人生でクリアしたRTSの記念すべき2本目となったこともここに記しておこう。(1本目は初代C&C)

ということで、気になったら是非プレイしてくれ!……と言いたいところだが、本作はSteamGOGなどダウンロードサイトでは一切配信しておらず、プレイするにはパッケージ版を購入するしかない。 しかも動作環境はwin98/ME/XPとなっており、当然互換モードでの起動となる。 (win7/32bit/XP互換モードにて起動。 64bit版だと起動できないらしく、win8/10も厳しいみたいだ)

このご時世にパッケージ版かよ!と思うかもしれないが、日本語訳も最高なので是非とも遊んでいただきたい。 ……最後に! こんなどこぞのブログなんかよりも公式の紹介文が最高にイカしてるのでマジで必読だ!! 以上!! (株式会社ドライブ/フーリガンズ・アゲイン)←

↑まさかの電気ネズミ発見!(笑)