360 「Saw」

2009 Konami
Zombie Studio
360/PS3/PC
↑こんな死に方は嫌だ!
北米版Xbox360ソフト「Saw」を紹介!

生きるか死ぬかは自分次第、極限の状況を描いたソリッド・シチュエーション・ホラーのパイオニアがオリジナルストーリーでまさかのゲーム化!極悪なトラップの数々をクリアし、ジグソウの魔の手から生き延びろ!

開発は往年の名作FPS「Spec Ops」シリーズで有名な「Zombie Studio」です。


↑いつ見ても不気味
ではゲーム開始だ

ホラー映画のジャンルにおいて「ソリッド・シチュエーション」という新しいジャンルを生み出した「SAW」シリーズ。2004年公開された第一作目は低予算で製作されたものの、そのショッキングでセンセーショナルな内容で大ヒットし、現在シリーズ7作を数えるビッグタイトルとなっています。

さて、ゲームのほうに話を戻しますと、本作は映画の1と2の間の物語となっており”一応”映画本編に出てるキャラも噛んでくるのですが、特に内容の無いものみたいなので気にしなくてオーケーです。とりあえずやることは只一つ、生き残るために課されたお題をクリアすること。基本的にはTPS視点で進んで行き、「ジグソウ」から課せられたパズル等を解いて進めていきます。

次項にてストーリーと合わせて、本作の導入部をちょっとだけ紹介します。


↑……めっちゃ重たそう(笑)
遊びじゃねぇんだよ!

主人公となるのは、殺人鬼「ジグソウ」を追っている探偵の「タップ」

物々しい装置を被せられた彼が見知らぬ部屋で目覚めるところからゲームがスタート。おなじみの装置に「おぉ!」とテンションが上がる中、いきなりのパズル開始に呆気にとられるも、どうにか解除。体が自由になったところで本当のスタートです。


訳も分からないまま始まった死のゲームに付き合わされるタップ。まずはこの部屋を出なくてはなりませんが、ドアにはナンバーロックが掛かっており出れない模様。

何処と無く一作目のバスルームを彷彿とさせるデザインがイイ感じです。


とりあえず手がかりを見つけるべく辺りを見渡すと、なにやらトイレのドアに意味深な記号が!
しかし、このままでは読めないので向かいのを見ると……。


もうお分かりですよね。鏡に映ったナンバーが正解です。

本作はパズル色がかなり強く、一応TPSの形式をとっていますがゲームの大半はこのようなパズルとの格闘となります。薄々感じていると思いますが、本作のパズルは少し考えれば解けるものばかりで難易度が低く、文章を読んでの謎解き等は皆無なので、英語力は必要ない模様です。

しかし、後で解説しますが即死トラップも多く、死んで覚えるゲームなのには間違いありません。


↑これが地味に難しい
生死を賭けたパズルゲーム

フィールドを探索して進めていく本作ですが、要所に仕掛けが施されており、キーとなる場面はもちろんのこと、武器の入手、果てはどうでもいいアイテムが入ったボックスなどにもパズルが仕掛けられており、もはやパズルゲームなのではと錯覚させるほどです。

パズルの種類は数種類あり、ボックスを開けるためには「ギアパズル」、蒸気を止めたりするなどには「パイプパズル」など、状況によってトライするパズルが異なります。

↑地獄の巨大配電盤パズル
パズルを解いていくためにはそのパズルに合った「バルブ」や「ギア」等のアイテムが必要で、それを入手してからトライするのですが、本作の特性上ほとんどの場面で制限時間が設けられており(もちろんタイムアウト=死)時間に追われながらのアイテム探索&パズル攻略はかなりの緊張感があります。

毒ガスが充満してる部屋等での攻略は、変に焦ってしまって思うようにパズルが解けず死んでしまうこと多数ですが、本作では何度かリトライするとパズルの難易度が下がっていくので問題無しです。いやはや鬼畜な映画版とはえらい違う親切なシステムに驚きを隠せません。

苦手なタイプのパズルが出てきたら死にまくるのも一つの手です(笑)


↑落ちたら細切れだ……!
ブービートラップ

本作では行く先々に様々なトラップが仕掛けられており、注意して進めていかなければならないのですが、特に注意が必要なのが「ドアトラップ」「ワイヤートラップ」の即死系トラップです。

「ドアトラップ」はドアにショットガンが仕掛けられていて、ドアを開けた瞬間に表示されたボタンを押して解除しなければなりません。 散策中に不意に開けてしまうと焦りますが、発射までの猶予が長いのでボタンさえ間違えなければ大丈夫。

↑気を付けていてもこれだ!
そして問題なのが「ワイヤートラップ」。 通路にワイヤーが張られており、引っかかってしまうとショットガンが発射されてしまうのですが、これが見えにくく非常に厄介。 しかも引っかかった瞬間に爆音で撃たれるのでかなりビックリしてしまい心臓に悪い仕様(笑)

他にも足場の悪い高所での移動や、電動カッターが飛び出してくるなどの即死系多数。 そして即死ではないものの、ガラスが散乱していたり何かとダメージを受けるので、慎重な行動を心がけるようにしましょう!


↑戦闘は単調&もっさり(笑)
解き放たれた罪人たち

多くのプレイ時間を散策とパズル解除に費やす本作ですが、この馬鹿デカい施設に閉じ込められているのはプレイヤーだけではありません。 大勢の”罪人”が己に課せられた死のゲームに従い襲い掛かってくるのです。

プレイヤーを含め、連れてこられたものの多くは首に時限爆弾が仕掛けられており、この”首輪”を装着された者同士が出会うと一色即発のデスバトルがスタート。 出会った瞬間にアラームが鳴り始め、止める方法は相手を殺すこと。 これは相手も同じ立場なので「お前の気持ちはわかる、でも俺は生きたいんだ……!許してくれ……!」と心の中で叫びながらこの悲しきゲームの従順者になりきりましょう。

まぁ実際は100%殺意むき出しで襲ってくるので、そこらへんに落ちてる「モップ」「マネキン」で撲殺して終了。 瞬殺できる「マグナム」も登場するので、基本的に戦闘シーンはかなりのヌルゲーに。 やはり本作においての最大の敵はパズルなのだということが分かりますね……いや、やっぱり画面の前のプレイヤーにもショックダメージを与える「ワイヤートラップ」が最凶だ!!


↑ハエ取り草式マシーン
見かけ倒しもいいとこだ!

様々なパズルや罪人との戦闘を経て最後にたどり着くのは、大掛かりな仕掛けが施された拷問器具の部屋。 全7チャプター存在する本作では、毎回ステージの最後にタップと関わりのある「放火犯」や「新聞記者」などの罪人が拘束されており、生きるため、そして「ジグソウ」についての手掛かりを探るべく仕掛けを解いて救出しなければならないのです。

こちらの仕掛けは大層な見た目とは裏腹に、今まで散々解いてきたギアパズルやパイプパズルの3連チャンなど「最後までこれかよ!」と目新しさゼロ。 果ては”只の神経衰弱”まで登場するというガッカリ感は「これは本当にSAWのゲームなのか?」と疑問を抱いてしまうほどです。

もちろん映画でも出てきた「ピッグヘッド」との戦闘もあり、そこは間違いなく盛り上がるのですが、目玉であるはずの救出パズルが面白みに欠けるのというのが残念でなりません。
一応”ヤラレ様”だけは気合が入っているので、1回はわざと失敗して血みどろスプラッターを拝んでやりましょう! もうこんな遊び方しか出来ないぞ!(笑)


↑噂の「ピッグヘッド」!
良くも悪くもシネマゲーム

この手の映画は「絶望的な選択を迫られ、天秤にかけながらも苦渋の選択をする」という緊迫感あふれるシーンがメインであり見どころです。 映画「SAW」では自らの犠牲を払って「生」という対価を得る緊迫感を表現していますが、”死んだら即リスタート”なビデオゲームで表現するには難しく、敵を倒す爽快感やハデなアクションが求められるハリウッド映画のゲーム化とは訳が違います。

しかしながら雰囲気は良くできており、随所に置かれたブラウン管テレビや、ジグソウトラップによって死んだショッキングな死体、そしてお馴染みの「I want to play a game」のセリフ……等々、細かなディティールはこれぞ「SAW」という素晴らしい出来栄え。

下手に映画を再現しようとするあまりに「SAWなんだからパズル沢山入れなきゃ!あ、でもゲームなんだし戦闘も入れなきゃ!」となった挙句、かなり中途半端なゲームが出来てしまったという印象。 もっとアクションかパズルかどちらかに振れていれば良かったかもしれないのですが、こうなると別に「SAW」のゲームで無くても良いわけで「別にゲーム化しなくてもよかったんじゃないか?」と思ってしまいます……。


↑アマンダ大ピンチ!
「SAW」Tシャツ持ってる位のファンなら即買い

単調なパズルや味気のない戦闘……少々厳しいことを書いてしまいましたが、多分このゲームをプレイした大部分の人が感じていることかと思います。 しかし!ファンアイテムの枠は出ないものの十分遊べることは確か。 ジャケットのインパクト同様に”仰々しい拷問器具の数々”は一度見てみても損はないはずです。

360/PS3版共に日本の本体で起動できるので、映画のファンならチェックしてみてもいいかもしれません。 2000円程度で見つけたらマストバイって感じです。

ちなみにまさかのゲーム版続編の「SAW II: Flesh&Blood」が出ているのですが、内容は相変わらずで本作よりも酷い出来らしいので機会があればプレイしてみたいですね(笑) やはり映画もゲームも1作目が至高だ! 以上です!

↑怖ぇえよ!(笑)